冬の気くばり vol.8

応急手当は、最初の五分が肝心



  ウインタースポーツシーズンの到来を告げると、スキー、スケートで急に体を動かす人も多いでしょう。疲労を避け、準備運動を十分にすれば事故は半減しますが、これを守らない人に限ってケガをするものです。そんな時、応急手当てで間違った手当てをする人が多いようです。

  まず骨折した時、「ただ副子を当てれば良い」は間違いで、骨折部に合った正しい当て方が必要です。折れた部分を動かさないよう、骨折部の上下の関節を含めて副子を使い、タオルなどでしっかり縛りましょう。脊椎の骨折の場合は、ほかの骨折と異なり、首や背骨を曲げるような形をとってはいけません。患部を固定し担架や戸板を使い、数人で丁寧に運ぶことです。

  「捻挫にはすぐ湿布」の考えも間違いで、冷却、安静、固定の順で手当てをしてください。いい加減な手当ては療養期間を長引かせ、後遺症を残すことになります。

  突き指は「手で引っ張れば治る」も間違いで、15分以上の冷却、1週間以上の固定が必要です。1週間経過しても指先が伸びない場合は骨折の恐れもあります。必ず専門医の診断を受けてください。

  久しぶりにスポーツをした時、思いがけず、ももやふくらはぎが裂けるような、殴られたような痛みや衝撃を受けるときがあります。これらの多くの場合は、肉離れと考えられます。肉離れは「すぐ温める」のはいけません。冷却、固定、安静、その後3〜4日目より温湿布とマッサージを行ってください。  

  応急手当は最初の5分間の対処が分かれ目です。まず症状を見て、正しい手当てをすることで早期回復につながります。速やかに専門医に診てもらいましょう。


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