スポーツの気くばり vol.17
スノーボードは低い姿勢を保って

1960年代、米国ミシガン州で生まれたスノーボード人口は近年著しく増えてきました。現在の日本のスキー人口は1,500万人、それに比べてスノーボード人口は約60〜70万人となっており、ケガや死亡事故も多発しています。
それもそのはず、1枚のボードに両足が固定されてストックも使わず、バランスを失うとスキーより姿勢を保つことが難しいのですから当然です。
スキーによるケガは、捻挫や打撲が多く、骨折は10%と減少していますが、スノーボードの場合は骨折が最も多く、次いで手首・足首・膝の捻挫、打撲、切挫創、脱臼と続いています。骨折のうち74%が上肢、特に手首に多く、50%が下肢の骨折と、スキーヤーとは対照的です。
打撲で最も怖いのが「逆エッジ」による後方への急激な転倒で、後頭部の強打による急性くも膜下血腫でしばしば死亡した例もあります。
そこで安全な転び方ですが、前に倒れる場合、肋骨骨折や膝の打撲が多いため小さくしゃがみながら両腕を前に伸ばし、ウルトラマンの「シュワッチ」スタイルよろしく、前にスライドしてショックを和らげてください。
後ろに倒れる場合は柔道の受身のように身体を丸めてアゴを引き、後頭部を打たぬように腕で雪を叩きましょう。滑るときは棒立ちにならないよう、低い姿勢で膝のバネをうまく使って快適なウインタースポーツを楽しんでください。
いずれにしてもシーズン前はもちろん、日頃の体(筋肉)の手入れが大切です。 |
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