スポーツの気くばり vol.10

腕立て伏せや手枕、手首の太さに注意

 日常のトレーニングとして腕立て伏せをしたあとに手首が痛くなる、硬くなる、時にはしびれが出ることがあります。「症状」を客観的に診るために数値を計ってみると、握力が低下していたり、手首が太くなっていることが多いようです。

  中学生、高校生の場合、準備運動や整理体操で手首を振ったり、指を軽く引っ張ったりすることでこれらの症状を解消しているようです。

  手首には手根骨と呼ばれる8個の小さい骨があり、この組み合わせがきつくなって周囲が太くなるのです。症状が長引くと手首や指を動かす筋肉が緊張状態のままで硬くなり、指の動きや、肘の動きにまで悪影響が出てきます。

  原因としては、腕立て伏せのほかに、昼寝やうたた寝の手枕、野球の打撃、ラケット競技、ゴルフスイングのダフリなどの反復が多いようです。

  相撲や、重量挙げの選手が手首にテーピングをしていたり、テニスや野球の選手がリストバンドをしているのは、単にファッションや汗止めのためだけでなく、手首が太く硬くならないための予防にもなっているのです。

  ここで自己診断法を紹介します。片方の手首を、もう一方の手の親指と中指とを使って握ってみてください。親指と中指がくっつくか、重なればひとまず合格です。

  親指と中指のリングの中で、握られている手の指をグー、チョキ、パーと動かしてください。手首が太くなるのがわかりますか。リングの中で太くなったり細くなったりの変化が大きいほど、柔らかくしなやかな手で、リストが柔らかいとか、スナップがよく利くなどの良好な状態です。

手首を細く柔らかくして、スポーツを上手に楽しんでください。


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