スポーツの気くばり vol.4

<こむら返り>の予防にシジミが効果的



  マラソン、水泳や長時間の運動、スポーツの試合などでふくらはぎの痙攣が起こったことはありませんか。

  これは、疲れたり、多量の汗をかいたり、身体が冷えたりするのが原因となります。難しくいえば、筋肉の正しい収縮に必要な環境が崩れたためと考えられます。

  筋肉は通常、血液が運んできた酸素によって活力を維持しているのですが、長時間の激しい運動により筋肉が必要としている酸素の供給が追いつかなくなり、筋肉に乳酸などの老廃物が蓄積され、筋細胞の細胞膜を不安定化させ、意思に反して、ちょっとした刺激で筋肉が不規則に収縮し、こむら返りとなります。

  筋肉は、強く収縮しているので、早く収縮を取る必要があります。収縮している筋肉を無理に伸ばしてはいけません。痙攣が起きない程度にゆっくり時間をかけて伸ばしてください。収縮している筋肉の周囲は血流が悪いことが予想されるので、適度にマッサージするのも一つの方法です。

  こむら返りの予防としては、運動前の入念なストレッチのほか、食事でもある程度防ぐことができます。筋肉の収縮にはカルシウムだけでなく、カリウムやマグネシウムなどの電解質、ビタミンEなども必要です。特に、筋細胞膜を安定させ、正しい収縮を起こさせるためには、タウリンが大切だと言われています。

  タウリンはシジミなどの貝類に多く含まれています。スポーツの世界ではタウリン投与により疲労を少なくできたという報告もあります。市販されている栄養ドリンク剤の成分にタウリンが含まれているものもあります。シジミの味噌汁で世界新記録を出すのも夢ではないかもしれません。大事なことは、疲労を翌日まで蓄積させないことです。
 


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