春の気くばり vol.7

座りだこ予防には座布団のへりを使用

 長時間座っていて、立って歩いた途端につまずいたり、何もない道路でつまずいて転んだりした経験はありませんか。

  こんな状態の人は足を見ると、往々にして足首の前側に「座りだこ」があるのに気づきます。座りだこは、畳や板の間、洋間のカーペットの上に長時間正座した時にできやすく、解剖学的には、かかとの上にある距骨が、内外のくるぶしの間で突出し、畳などとの間で皮膚や腱を圧迫してできます。

  座りだこが、なぜつまずく原因になるかと言えば、座りだこで足首のやや下の部分が硬くなったり腫れたりすると、左右のつま先が内側を向きがちになり、どうしても歩くときに引っ掛けてしまうからです。

  予防としては、畳の上に座るときは必ず座布団を使うことをお勧めします。

  正座なら足首の圧迫を防ぐため、座布団と畳との高低差を利用してつま先を座布団のへりにそわすようにして座ります。あぐらなら、おしりに座布団を二枚あるいは二つ折りにして当てることです。

  また、寒い日に電気カーペットを使う時は座布団の温まった面を座面として使うと良いでしょう。

  テーブルとイスの生活習慣や洋式トイレの普及で、座りだこは若い人にはあまり見られなくなりました。

  しかし、日本的な武道や茶道、生け花などの世界では、正座が基本になります。端座して腰を伸ばした姿勢を日本的な美しい姿勢として残していくためにも、日ごろから座りだこをつくらないように心掛けたいものです。
 


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