春の気くばり vol.6

階段を下りるときは、転倒転落に注意

 春先の引っ越しのシーズンが近付いてくると、何かと重い荷物を持ち運ぶ機会も増えそうです。家の中で負傷事故が起きやすい場所の一つに階段があります。しかも、多くの場合、階段を下りる際の転倒・転落事故の形で起きます。

  それは、両目で物を見ることが充分にできない時に起きやすくなります。洗濯物を持って、大きい荷物を抱えて、ねぼけ眼で、酔って、暗がりで明かりをつけずに……、等など足元が充分に見えない時に起こります。

  いかに住み慣れた自分の家であっても階段の数を覚えている人は少ないのではないでしょうか。足元が見えないと、あと一段あると錯覚したり、足の運びが不自然になったりして、バランスを失いやすいことは誰でも経験していることです。目から入る情報がいかに自然な歩行に大切かを痛感させられます。

  そこで階段での負傷事故を防ぐには、両目で足元が見えるような工夫が大切です。

  ▽布団を2階から下ろす時には、階段を滑らせるように下ろす。

  ▽大きな荷物の場合は、高く差し上げることで足元を見やすくする。

  ▽重い荷物は必ず複数で運ぶ。

  ▽暗い時には必ず明かりをつける。

  ▽どうしても両目で見ることが困難な状況では、ゆっくり階段の数を数 えながら下り、手すりがあれば必ずつながる。

  といった何気ない気配りで、かなりの事故が防げます。


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